現代青少年の特質

【スカウト指導の参考にしてください】


 現代青少年の特質

(スカウトをよりよく理解するために)

         現代青少年の特質(概論)

      マスメディアで取り上げられる青少年像


「指示待ち人間」
「ファミコン少年」
「おたく」
「三無主義」

・青少年の人口が少なくなっている。
    兄弟が少ない。(いない)     いとこがいない。(両親が一人っ子の場合)
・土――→コンクリート(自然がなくなってきている)
・あまりしゃべらない。
・外で遊ばない子ども。(家のほうが快適=冷暖房)
・一人遊びがすき。(人と遊ぶのがヘタ==人付き合いがヘタ)
・(ドロンコあそび)、(暗くなるまで遊ぶ)、(秘密の隠れ家)
  ――→今の子どもにはない。
・ストレスや成人病がある。
・電話でアポイントメントをとる。   (昔は「○○ちゃん 遊ぼう」であった)
・ガキ大将から体で学ぶことが少なくなった。
・「友達とファミコンをする」、「漫画を読む」
     ――→コミュニケーションが少なくなった。
・実体験が少ない。(テレビを見て知っているだけ)


  
平成6年2月24日の朝日新聞の記事より
  「いまどきのカッコいい人」
        大阪市内の小学生4000人のアンケート
★カッコいいと思う人 (%)
・困った人や弱い人を助けてあげる人 74
・スポーツができる人 74
・グループ活動の時、頼りになる人  61
・正しいと思うことを一人でもやる人 47
・掃除や係りの仕事をまじめにやる人 34
・テストでいい点をとる人 30
・学級代表や児童会の役員になる人 28
・塾へ行って一生懸命勉強する人 22
・喧嘩が強い人  19


★カッコいいと思わない人 (%)
・手をつないでペアルックで歩くアベック 52
・喧嘩が強い人 30
・ファミコンの攻略法をよく知っている人
・テレビ番組をよく知っている人
・ゲームおたく

※現代の青少年は強さからやさしさへ変化していると結論づけている。




          ビーバースカウト年代児の特質

1、集合、整列に時間がかかる。整列しても2〜3分で乱れる。
2、気に入ったゲームはなかなか止めようとしない。(比較的単純なゲーム)   気にいらなければ見向きもしない。(もうシンドイが出る)
3、アアシンドまだあるくの?(なだめすかして歩かせる)
4、体力や能力の差が大きい。
5、前の集会でのプログラムはあまり覚えていなくても、食べ物の事はよく覚えている。
6、室内での集会は窮屈そうである。
7、長いセレモニーの時、しゃべり出したり、座り込んだり、列を乱す。
8、シールは好きである。
9、プログラムに変化をつけないとすぐに飽きてしまう。
10、賞品があるとゲームへの挑戦意欲が大きくなる。
11、ビーバーにとって指導者は、いっしょに遊ぶ時はおっちゃんであり、教わる時は、先生であり、セレモニーの時は、隊長という感覚をもっている。ビーバーの口からそのような呼び名が出る。
12、服をよく汚すし、忘れ物、落とし物が多い。夢中になると何もかもおかまいなし。
13、じっとして話を聞いているのはせいぜい1〜2分である。
14、活発でよくしゃべる子供と、おとなしい子供がいる。ゲームの中へ入ってこないで一人で他の遊びをする子供もいる。
15、紙芝居は人気がある。あばれた後は心も静まる。
16、短時間で作れて遊べる工作を喜ぶ。
17、水遊びも好む。
18、ごみひろいくらいの善行は言えばやれる。
19、寒い時には体を動かすゲームやスポーツがよい。汗の処理を考える。
20、自分で作った物を食べる喜び。
21、工作のできないビーバーもかなりいる。リーダーの助けが必要。   物を作る事には喜びを感じる。
22、野外で弁当を食べるのはうれしそう。
23、活動中のビーバーの顔色や、体の調子をよく観察すること。
24、オシッコをもらすような子供もいる。予備のパンツの準備も必要?
25、遊ばせるのでなく、いっしょに遊ぶ事が大切。
26、セレモニーは簡単に、お話は短く。



          カブスカウト年代の特質

1、自我のめばえ(口答え、反発、へりくつを言う)
  ・約束したことはよく覚えている。リーダーが忘れると抗議する。
  ・母親からの独立(お母さんベッタリ――→友達との世界を大切にする)
  ・仲間意識が生まれる。(悪くすると、仲間外れにしたり、いじめが生じる。)
2、能力の差が目立ってくる。(行動力・運動神経・反射神経の発達)
  ・野球、サッカー、ドッジボールがうまくできるようになる。
  ・手先の器用さが現れる。(工作、プラモデル、電気製品の操作、ビデオの予約)
3、ほめるとすぐに喜ぶ。きつく叱ると泣き出すこともある。
4、残虐性が残っている。(とんぼの羽をむしる。虫を踏みつける。)
5、デンリーダー(大人)への依存性が高い。
6、大人との関係
 ・ボーイスカウト年代に比べると、リーダーとの垣根は低い。   遊ぶときにはリーダーをガキ大将の一人くらいの感覚で遊んでいる。
 ・大人に平気でものを言う。友達のように話す。
7、目新しいことに強い好奇心や興味を持つ。(手旗、ロープ)
8、ごみ拾いのように汚れることも気にしないで、遊び感覚でできる。
9、セレモニーなどの長い話にはある程度我慢で来るが、頭に入っていない。
10、自由行動にすると、集団で遊ぶことはない。2〜3人程度で遊んでいる。
11、年下の者の面倒を見る者もいれば自分勝手な者もいる。どちらのタイプも年々減少傾向にある。
12、平均的な子供が増えている。どちらかといえば「おりこうさん」
  ・ヤンチャ坊主が減った。
13、ハイキングなど、子どもにとってはシンドイことも遅れることなくがんばる。
14、カブのキャンプでは深夜遅くまで起きていることがなく、すぐに寝付く。
15、自分をコントロールできない。(宿題があるのはわかっていて遊びに夢中になる)
16、ハンカチ、はなかみなどの持ち物検査を継続的に行うと、確実に不携帯者は減る

※ファミコンに夢中になる。
※ファミコン目当ての形式的な友達が多い。
※ファミコンソフトを欲しがる。友達との貸し借り。――→トラブル
※マンガを夢中で読む。



          ボーイスカウト年代の特質

1、ひと昔前に比べると、幼くなった。(上進時期が早くなったためか?)    カブがボーイの制服を着ているように思える者もいる。
2、面倒なこと、疲れること、体を使うことを進んでしない。
  ・「しんどい」という言葉がよく出る。
  ・家でのんびりしたいと思っている。
  ・班長、次長になりたがらない。(親もならせたくないと思っている者あり)
  ・学校でも学級代表や生徒会の役員になりたがらない。
3、年少者と年長者の違いが大きい。
  ・小学5年生と中学2年生(小学6年生と中学3年生)では精神的にも肉体的にも大きな違いがある。
  ・母親を頼る年代と恋をする年代の少年が同居している。

(1)年少者の特徴(小学生)
  ・指導者が意見を聞くと、自分からは進んで言わないが、人が意見を言うと、その意見を茶化す。
  ・落ちつきがなく10分と、じっとしていられない。
  ・人の話を最後まで聞かずに、すぐに質問する。
  ・行事の出欠を親に聞く。(自分では決められないのか、または親の影響力が強いのか?)
(2)年長者の特徴(中学生)
  ・中学生は行事の内容で出欠を決める。(興味のあるプログラムなら参加する。)
  ・隊行事には○○君が行かないから自分も行かない。
  ・班長、次長としての自覚に乏しい。
  ・自発活動を期待できない。

4、その他、隊活動(キャンプやハイキング)で気がついた事例
  ・自分の物は大事にするが、人の物や隊の備品はどうでもよい。    (自分の食器や飯盒は汚したくない。すぐにしまう。)
  ・他人の物が自分の足下に落ちていてもひらおうとしない。
  ・先輩やリーダーに対する言葉遣いがなっていない。
  ・遊び方を知らない。
  ・何事に対してもけじめがない。
  ・行動に機敏さがない。ダラダラしている。
  ・自分では判断しない指示待ち人間である。
  ・人を引っ張っていくガキ大将がいない。
  ・ファミコン、マンガ、ゲーム、音楽など興味の対象や誘惑が多い。



         ベンチャースカウト年代の特質

1、大人と子どものはざまにあり、その時々に揺れ動く。
  ・子ども扱いをされることを極端にきらう。
2、仲間からはずれたり、きらわれることがなによりも不安である。
  ・家族や先生、リーダーよりも友達との関係のほうが重要。    (友達が行くからキャンプにいく。)
3、やる気にムラがある。
  ・しんどいことはいやがるが、のってくると一生懸命行動する。    (「ダルイ」、「うっとうしい」、「ああしんど」という言葉が出る。)
  ※やる気を持続させるため「のせる」ことが必要。
  ※自分がいなければ隊活動はできない。と自覚させることが必要。
4、将来に不安がある。
  ・やらなければならないと思いながらも、中途半端になっている。
5、大人の社会に興味がある。   (酒、タバコ、性、ギャンブル、車)
6、ムードや雰囲気に流されやすい。まじめが敬遠されやすい。

ホームページへ